7.6. 重要なファイルとシンボリックリンクの生成

Linux のこれまでの経緯として、マウントされているファイルシステムの情報は /etc/mtab ファイルに保持されています。 最新の Linux であれば、内部的にこのファイルを管理し、ユーザーに対しては /proc ファイルシステムを通じて情報提示しています。 /etc/mtab ファイルの存在を前提としているプログラムが正常動作するように、以下のシンボリックリンクを作成します。

ln -sv /proc/self/mounts /etc/mtab

テストスイートの中に /etc/hosts ファイルを参照するものがあるので、単純なものをここで生成します。 これは Perl の設定ファイルにおいても参照されます。

echo "127.0.0.1 localhost $(hostname)" > /etc/hosts

root ユーザーがログインできるように、またそのrootという名称を認識できるように /etc/passwd ファイルと /etc/group ファイルには該当する情報が登録されている必要があります。

以下のコマンドを実行して /etc/passwd ファイルを生成します。

cat > /etc/passwd << "EOF"
root:x:0:0:root:/root:/bin/bash
bin:x:1:1:bin:/dev/null:/bin/false
daemon:x:6:6:Daemon User:/dev/null:/bin/false
messagebus:x:18:18:D-Bus Message Daemon User:/var/run/dbus:/bin/false
systemd-bus-proxy:x:72:72:systemd Bus Proxy:/:/bin/false
systemd-journal-gateway:x:73:73:systemd Journal Gateway:/:/bin/false
systemd-journal-remote:x:74:74:systemd Journal Remote:/:/bin/false
systemd-journal-upload:x:75:75:systemd Journal Upload:/:/bin/false
systemd-network:x:76:76:systemd Network Management:/:/bin/false
systemd-resolve:x:77:77:systemd Resolver:/:/bin/false
systemd-timesync:x:78:78:systemd Time Synchronization:/:/bin/false
systemd-coredump:x:79:79:systemd Core Dumper:/:/bin/false
nobody:x:99:99:Unprivileged User:/dev/null:/bin/false
EOF

root ユーザーに対する本当のパスワードは後に定めます。

以下のコマンドを実行して /etc/group ファイルを生成します。

cat > /etc/group << "EOF"
root:x:0:
bin:x:1:daemon
sys:x:2:
kmem:x:3:
tape:x:4:
tty:x:5:
daemon:x:6:
floppy:x:7:
disk:x:8:
lp:x:9:
dialout:x:10:
audio:x:11:
video:x:12:
utmp:x:13:
usb:x:14:
cdrom:x:15:
adm:x:16:
messagebus:x:18:
systemd-journal:x:23:
input:x:24:
mail:x:34:
kvm:x:61:
systemd-bus-proxy:x:72:
systemd-journal-gateway:x:73:
systemd-journal-remote:x:74:
systemd-journal-upload:x:75:
systemd-network:x:76:
systemd-resolve:x:77:
systemd-timesync:x:78:
systemd-coredump:x:79:
wheel:x:97:
nogroup:x:99:
users:x:999:
EOF

作成するグループは何かの標準に基づいたものではありません。 一部は 9 章の udev の設定に必要となるものですし、一部は既存の Linux ディストリビューションが採用している慣用的なものです。 またテストスイートにて特定のユーザーやグループを必要としているものがあります。 Linux Standard Base (http://www.linuxbase.org 参照) では root グループのグループID (GID) は 0、bin グループの GID は 1 を定めているにすぎません。 他のグループとその GID はシステム管理者が自由に取り決めることができます。 というのも通常のプログラムであれば GID の値に依存することはなく、あくまでグループ名を用いてプログラミングされているからです。

第 8 章 におけるテストの中には、通常のユーザーを必要とするものがあります。 ここでそういったユーザーをここで追加し、その章の最後には削除します。

echo "tester:x:$(ls -n $(tty) | cut -d" " -f3):101::/home/tester:/bin/bash" >> /etc/passwd
echo "tester:x:101:" >> /etc/group
install -o tester -d /home/tester

プロンプトのI have no name!を取り除くために新たなシェルを起動します。 /etc/passwd ファイルと /etc/group ファイルを作ったので、ユーザー名とグループ名の名前解決が適切に動作します。

exec /bin/bash --login +h

ディレクティブ +h について触れておきます。 これは bash に対して実行パスの内部ハッシュ機能を利用しないよう指示するものです。 もしこのディレクティブを指定しなかった場合 bash は一度実行したファイルのパスを記憶します。 コンパイルしてインストールした実行ファイルはすぐに利用していくために、本章と次章の作業では +h ディレクティブを常に使っていくことにします。

loginagettyinit といったプログラム (あるいは他のプログラム) は、システムに誰がいつログインしたかといった情報を多くのログファイルに記録します。 しかしログファイルがあらかじめ存在していない場合は、ログファイルの出力が行われません。 そこでそのようなログファイルを作成し、適切なパーミッションを与えます。

touch /var/log/{btmp,lastlog,faillog,wtmp}
chgrp -v utmp /var/log/lastlog
chmod -v 664  /var/log/lastlog
chmod -v 600  /var/log/btmp

/var/log/wtmp ファイルはすべてのログイン、ログアウトの情報を保持します。 /var/log/lastlog ファイルは各ユーザーが最後にログインした情報を保持します。 /var/log/faillog ファイルはログインに失敗した情報を保持します。 /var/log/btmp ファイルは不正なログイン情報を保持します。

[注記]

注記

/run/utmp ファイルは現在ログインしているユーザーの情報を保持します。 このファイルはブートスクリプトが動的に生成します。