7.6. System V ブートスクリプトの利用と設定

7.6.1. System V ブートスクリプトはどのようにして動くのか

Linux では SysVinit という特別なブート機能があり ランレベル (run-levels) という考え方に基づいています。 ランレベルの扱いはシステムによって異なりますので、ある Linux において動作しているからといって LFS においても全く同じように動くわけではありません。 LFS では独自の方法でこれを取り入れることにします。 ただし標準として受け入れられるような方法を取ります。

SysVinit (これ以降はinitと表現します) はランレベルという仕組みにより動作します。 ランレベルには7つのレベル (0 から 6) があります。 (実際にはランレベルはそれ以上あるのですが、特殊な場合であって普通は利用されません。 詳しくは init(8) を参照してください。) 各レベルは、コンピューターの起動時における処理動作に対応づいており、デフォルトのランレベルは 3 となっています。 ランレベルの詳細を以下に説明します。

0: コンピューターの停止
1: シングルユーザーモード
2: マルチユーザーモード、ネットワークなし
3: マルチユーザーモード、ネットワークあり
4: 将来の拡張用として予約されています。 3 と同じものとして扱われます。
5: 4 と同様。通常 (X の xdm や KDE の kdm のような) GUI ログインに用いられます。
6: コンピューターの再起動

7.6.2. Sysvinit の設定

カーネルの初期化にあたって最初に起動するプログラムは、コマンドラインから指定されるものか、あるいはデフォルトでは init です。 このプログラムは初期設定ファイル /etc/inittab を読み込みます。 そのファイルは以下のようにして生成します。

cat > /etc/inittab << "EOF"
# Begin /etc/inittab

id:3:initdefault:

si::sysinit:/etc/rc.d/init.d/rc S

l0:0:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 0
l1:S1:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 1
l2:2:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 2
l3:3:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 3
l4:4:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 4
l5:5:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 5
l6:6:wait:/etc/rc.d/init.d/rc 6

ca:12345:ctrlaltdel:/sbin/shutdown -t1 -a -r now

su:S016:once:/sbin/sulogin

1:2345:respawn:/sbin/agetty --noclear tty1 9600
2:2345:respawn:/sbin/agetty tty2 9600
3:2345:respawn:/sbin/agetty tty3 9600
4:2345:respawn:/sbin/agetty tty4 9600
5:2345:respawn:/sbin/agetty tty5 9600
6:2345:respawn:/sbin/agetty tty6 9600

# End /etc/inittab
EOF

この初期化ファイルに関することは inittab の man ページにて説明されています。 LFS において重要となるコマンドは rc です。 初期化ファイルは rc コマンドに対してスクリプトの実行を指示します。 実行されるスクリプトは /etc/rc.d/rcS.d ディレクトリにて S で始まるスクリプトです。 そしてその後に /etc/rc.d/rc?.d ディレクトリにて、同じく S で始まるスクリプトも実行されます。 ここで ? は、初期化を行う際の数値を示します。

扱いやすさを考慮して、rc スクリプトは /lib/lsb/init-functions ディレクトリにあるライブラリ群を読み込む形にしています。 このライブラリは、さらにオプションで設定ファイル /etc/sysconfig/rc.site を読み込みます。 本節以降に説明している、各種の設定ファイルにおけるパラメーターは、上のファイルにて設定することもできます。 上のファイルは、システム上のパラメーターを1つのファイルに集約して設定できるようになっています。

デバッグがしやすいように、各ライブラリの関数スクリプトは、すべて /run/var/bootlog にログを出力するようになっています。 /run ディレクトリは tmpfs であることから、/run/var/bootlog ファイルはブート前後にて恒常的なファイルではありません。 ただしブート処理の最後には、恒常的なファイルである /var/log/boot.log に情報が出力されます。

7.6.2.1. ランレベルの変更

ランレベルを変更するには init <runlevel> を実行します。 <runlevel> はランレベルを示す数字です。 例えばコンピューターを再起動するには init 6 コマンドを実行します。 これは reboot コマンドのエイリアスとなっています。 同様に init 0halt のエイリアスです。

/etc/rc.d ディレクトリの配下には複数のサブディレクトリがあります。 そのディレクトリ名は rc?.d のようになっています。 (? はランレベルの数字を表します。) また rcsysinit.d というサブディレクトリもあります。 それらサブディレクトリ内には数多くのシンボリックリンクがあります。 シンボリックリンクの先頭一文字には KS が用いられ、続いて二桁の数値文字がつけられています。 K はサービスの停止 (kill)、S はサービスの起動 (start) を意味します。 二桁の数字はスクリプトの起動順を定めるもので、00 から 99 までが割振られ、小さな数字から順に実行されます。 init コマンドによってランレベルが変更される時は、そのランレベルに応じて必要なサービスが起動するか停止することになります。

スクリプトファイルは /etc/rc.d/init.d ディレクトリにあります。 実際の処理はここにあるファイルが用いられます。 これらに対してはシンボリックリンクが用意されています。 サービスの起動 (S で始まる) と停止 (K で始まる) を行うシンボリックリンクは /etc/rc.d/init.d ディレクトリにあるスクリプトを指し示しています。 このようにしているのは、各スクリプトが startstoprestartreloadstatus といったさまざまなパラメーターにより呼び出されるためです。 K の名前を持つシンボリックリンクが起動されるということは stop パラメーターをつけて該当するスクリプトが実行されるということです。 同様に S の名前を持つシンボリックリンクが起動されるということは start パラメーターをつけて呼び出されるということになります。

上の説明には例外があります。 rc0.d ディレクトリと rc6.d ディレクトリにある、S で始まるシンボリックリンクはサービスを何も起動させません。 stop パラメーターが与えられ、何らかのサービスを停止します。 ユーザーがシステムを再起動したり停止したりする際には、サービスを起動させる必要はないわけで、システムを停止するだけで済むからです。

スクリプトに対するパラメーターは以下のとおりです。

start

サービスを起動します。

stop

サービスを停止します。

restart

サービスをいったん停止し再起動します。

reload

サービスの設定ファイルを更新します。 設定ファイルが変更されたものの、サービスの再起動は必要ではない場合に利用します。

status

サービスがどの PID 値で動いているかを表示します。

ブート機能を動作させる方法は自由に取り決めて設定して構いません。 このシステムはつまるところあなた自身のシステムだからです。 上に示したファイル類はブート機能を定めた一例に過ぎません。

7.6.3. Udev ブートスクリプト

初期起動スクリプト /etc/rc.d/init.d/udevudevd を起動し、カーネルにより既に生成されている "コールドプラグ" のデバイスをすべて稼動させます。 そしてすべてのルールが起動完了するのを待ちます。 このスクリプトは /sbin/hotplug のデフォルトから uevent ハンドラーを取り除きます。 この時点でカーネルは、他の実行モジュールを呼び出す必要がないからです。 そのかわりに、udevdは、カーネルが起動する uevent をネットリンクソケット (netlink socket) 上で待ち受けます。

初期起動スクリプト /etc/rc.d/init.d/udev_retry は、サブシステムに対するイベントの再起動を行ないます。 そのサブシステムとはファイルシステムに依存するもので、mountfs が実行されるまでマウントされません。 (特に /usr/var がこれに該当します。) mountfs スクリプトの後にこのスクリプトが実行されるので、(イベントが再起動されるものであれば) 二度目には成功します。 このスクリプトは /etc/sysconfig/udev_retry ファイルにより設定が可能で、コメントを除く記述項目はすべてサブシステム名を表わし、二度目の起動時のリトライ対象となります。 (デバイスのサブシステムを知るには udevadm info --attribute-walk <device> を実行します。 ここで <device> は、/dev や /sys から始まる絶対パスであり /dev/sr0 や /sys/class/rtc などを表します。)

For information on kernel module loading and udev, see 項7.3.2.3. 「モジュールのロード」.

7.6.4. システムクロックの設定

setclock スクリプトはハードウェアクロックから時刻を読み取ります。 ハードウェアクロックは BIOS クロック、あるいは CMOS (Complementary Metal Oxide Semiconductor) クロックとしても知られているものです。 ハードウェアクロックが UTC に設定されていると setclock スクリプトは /etc/localtime ファイルを参照して、ハードウェアクロックの示す時刻をローカル時刻に変換します。 /etc/localtime ファイルは hwclock プログラムに対して、ユーザーがどのタイムゾーンに位置するかを伝えます。 ハードウェアクロックが UTC に設定されているかどうかを知る方法はないので、手動で設定を行う必要があります。

setclock スクリプトは udev によって起動されます。この時というのはブート時であり、カーネルがハードウェアを検出する時です。 停止パラメータを与えて手動でこのスクリプトを実行することもできます。 その場合 CMOS クロックに対してシステム時刻が保存されます。

ハードウェアクロックが UTC に設定されているかどうか忘れた場合は hwclock --localtime --show を実行すれば確認できます。 このコマンドにより、ハードウェアクロックに基づいた現在時刻が表示されます。 その時刻が手元の時計と同じ時刻であれば、ローカル時刻として設定されているわけです。 一方それがローカル時刻でなかった場合は、おそらくは UTC に設定されているからでしょう。 hwclock によって示された時刻からタイムゾーンに応じた一定時間を加減してみてください。 例えばタイムゾーンが MST であった場合、これは GMT -0700 なので、7時間を加えればローカル時刻となります。

ハードウェアクロックが UTC 時刻として設定されていない場合は、以下に示す変数 UTC の値を 0 (ゼロ) にしてください。

以下のコマンドを実行して /etc/sysconfig/clock ファイルを新規に作成します。

cat > /etc/sysconfig/clock << "EOF"
# Begin /etc/sysconfig/clock

UTC=1

# Set this to any options you might need to give to hwclock,
# such as machine hardware clock type for Alphas.
CLOCKPARAMS=

# End /etc/sysconfig/clock
EOF

LFS において時刻の取り扱い方を示した分かりやすいヒントが http://www.linuxfromscratch.org/hints/downloads/files/time.txt にあります。 そこではタイムゾーン、UTC、環境変数 TZ などについて説明しています。

[注記]

注記

CLOCKPARAMS と UTC パラメーターは /etc/sysconfig/rc.site ファイルにて設定することもできます。

7.6.5. Linux コンソールの設定

この節ではブートスクリプト console の設定方法について説明します。 このスクリプトはキーボードマップ、コンソールフォント、カーネルログレベルを設定します。 非アスキー文字 (例えば著作権、ポンド記号、ユーロ記号など) を使わず、キーボードが US 配列であるなら、本節は読み飛ばしてください。 console ブートスクリプトの設定ファイルが存在しない場合 (あるいはこれと同等の設定が rc.site にない場合) は、このスクリプトは何も行いません。

console スクリプトは、設定情報を /etc/sysconfig/console ファイルから読み込みます。 まずは利用するキーボードマップとスクリーンフォントを定めます。 さまざまな言語に応じた設定方法については http://www.tldp.org/HOWTO/HOWTO-INDEX/other-lang.html を参照してください。 よく分からない場合は /usr/share/keymaps ディレクトリや /usr/share/consolefonts ディレクトリを見て、正しいキーマップとスクリーンフォントを探してください。 マニュアルページ loadkeys(1)setfont(8) を見て、これらのプログラムに対する適切な引数を決定してください。

/etc/sysconfig/console ファイルの各行には、変数 = "値" という記述を行います。 そして変数には以下に示すものが利用可能です。

LOGLEVEL

この変数は、コンソールに出力されるカーネルメッセージのログレベルを指定するもので dmesg コマンドにより設定されます。 有効な設定値は "1" (メッセージ出力なし) から "8" まであり、デフォルトは "7" です。

KEYMAP

この変数は loadkeys プログラムに対する引数を指定します。 このプログラムはitなどのキーマップをロードします。 この変数がセットされていない場合、ブートスクリプトは loadkeys プログラムを実行せず、デフォルトのカーネルキーマップが用いられます。 キーマップによっては同一名に対して重複した定義を持つものもあります。 (cz とその変形が qwerty/ と qwertz/ にあり、es は olpc/ と qwerty/ に、trf は fgGIod/ と qwerty/ にあります) こういった場合には、適切なキーマップがロードされるように、親ディレクトリを必ず指定する必要があります (qwerty/es など)。

KEYMAP_CORRECTIONS

この変数は (あまり利用されませんが) loadkeys プログラムを二度目に呼び出す際の引数を指定します。 普通のキーマップでは十分な設定にならない時の微調整を行うために利用します。 例えばユーロ記号がキーマップの中に含まれておらずこれを付け加える場合には、この変数に対してeuro2を設定します。

FONT

この変数は setfont プログラムへの引数を指定します。 一般にこの変数にはフォント名、-m、アプリケーションキャラクターマップ (application character map) を順に指定します。 例えばフォントとして lat1-16、アプリケーションキャラクターマップとして8859-1を指定する場合、この変数にはlat1-16 -m 8859-1を設定します。 (これは米国にて適当な設定となります。) UTF-8 モードの場合、カーネルは UTF-8 キーマップ内の 8 ビットキーコードを変換するためにアプリケーションキャラクターマップを利用します。 したがって "-m" パラメーターには、キーマップ内キーコードのエンコーディングを指定する必要があります。

UNICODE

コンソールを UTF-8 モードにするには、この変数を1yestrueのいずれかに指定します。 UTF-8 ベースのロケールであればこの設定を行います。 そうでないロケールにおいて設定するのは不適切です。

LEGACY_CHARSET

キーボードレイアウトの多くに対して、Kbd パッケージは標準的な Unicode キーマップを提供していません。 この変数にて UTF-8 ではないキーマップのエンコーディングが指定されていたら console ブートスクリプトは利用可能な UTF-8 キーマップに変換します。

以下はいくつかの設定例です。

  • Unicode を用いない設定では、普通は KEYMAP 変数と FONT 変数のみを定めます。 例えばポーランド語の設定であれば以下のようになります。

    cat > /etc/sysconfig/console << "EOF"
    # Begin /etc/sysconfig/console
    
    KEYMAP="pl2"
    FONT="lat2a-16 -m 8859-2"
    
    # End /etc/sysconfig/console
    EOF
    
  • 上で述べたように、普通のキーマップの設定に対して多少の修正を必要とする場合もあります。 以下の例はドイツ語のキーマップにユーロ記号を加える例です。

    cat > /etc/sysconfig/console << "EOF"
    # Begin /etc/sysconfig/console
    
    KEYMAP="de-latin1"
    KEYMAP_CORRECTIONS="euro2"
    FONT="lat0-16 -m 8859-15"
    
    # End /etc/sysconfig/console
    EOF
    
  • 以下は Unicode を用いたブルガリア語の設定例です。 通常のキーマップが存在しているものと仮定しています。

    cat > /etc/sysconfig/console << "EOF"
    # Begin /etc/sysconfig/console
    
    UNICODE="1"
    KEYMAP="bg_bds-utf8"
    FONT="LatArCyrHeb-16"
    
    # End /etc/sysconfig/console
    EOF
    
  • 上の例においては 512 個のグリフを持つ LatArCyrHeb-16 フォントを利用しています。 この場合、フレームバッファーを利用していなければ Linux コンソール上に鮮やかな色づけを行うことは出来なくなります。 フレームバッファーがない状態で文字フォントを変更することなく色づけを適切に行いたい場合は、以下に示すように 256 個のグリフを持った、この言語に固有のフォントを用いる方法もあります。

    cat > /etc/sysconfig/console << "EOF"
    # Begin /etc/sysconfig/console
    
    UNICODE="1"
    KEYMAP="bg_bds-utf8"
    FONT="cyr-sun16"
    
    # End /etc/sysconfig/console
    EOF
    
  • 以下の例では ISO-8859-15 から UTF-8 へのキーマップ変換の自動化 (keymap autoconversion) を指定し、Unicode におけるデッドキー (dead keys) を有効にするものです。

    cat > /etc/sysconfig/console << "EOF"
    # Begin /etc/sysconfig/console
    
    UNICODE="1"
    KEYMAP="de-latin1"
    KEYMAP_CORRECTIONS="euro2"
    LEGACY_CHARSET="iso-8859-15"
    FONT="LatArCyrHeb-16 -m 8859-15"
    
    # End /etc/sysconfig/console
    EOF
    
  • キーマップにデッドキー (dead keys) を持つものがあります。 そのキー自身は文字を意味するものではなく、次のキー入力による文字に対するアクセント記号をつける目的のものなどです。 または複合的な入力規則を定義するもの、例えばCtrl+.、A、E を入力することで Æ を得るものがあります。 Linux-4.18.5 ではキーマップに応じてデッドキーや複合的な入力規則を解釈します。 ただしこれが正しく動作するのは、元の文字がマルチバイトではない場合に限ります。 このような欠点は西欧のキーマップでは問題にはなりません。 アクセント記号なら、アクセント記号がついていない ASCII 文字を使ったり、ASCII 文字を二つ使って工夫したりするからです。 しかし UTF-8 モードでは問題になります。 例えばギリシャ語にてalphaの文字の上にアクセント記号を付けたい場合が問題です。 これを解決するには、一つには UTF-8 の利用を諦めることであり、もう一つは X ウィンドウシステムを使うことで、そのような入力処理の制約を解消することです。

  • 中国語、日本語、韓国語などを利用する場合 Linux コンソールにはそれらの文字を表示できません。 この言語を利用するユーザーは X ウィンドウシステムを使ってください。 そこで用いるフォントは、必要となるコード範囲の文字を有しており、入力メソッドも用意されています。(例えば SCIM は数多くの言語入力をサポートしています。)

[注記]

注記

/etc/sysconfig/console ファイルは Linux のテキストコンソール上の言語設定を行うだけです。 X ウィンドウシステム、SSH セッション、シリアルコンソールでのキーボードレイアウトや端末フォントの設定とは無関係です。 それらに対しては、上に列記した最後の二項目における制約は適用されません。

7.6.6. ブート時のファイル生成

ブート時にファイルを生成したいときがあります。 例えば /tmp/.ICE-unix ディレクトリが必要であったとします。 これは /etc/sysconfig/createfiles スクリプトに設定を行うことで実現できます。 このファイルの書式は、デフォルト設定ファイル内にコメントとして埋め込まれているので参照してください。

7.6.7. Sysklogd スクリプトの設定

sysklogd スクリプトは System V の一連の初期化に際して syslogd プログラムを起動します。 オプション -m 0 により実行され、syslogd がデフォルトで 20分おきにログファイルに対して周期的にタイムスタンプを書き込む機能を無効にします。 この機能を有効にしたい場合は /etc/sysconfig/rc.site ファイルを新たに作るか既存のものを編集して、SYSKLOGD_PARMS 変数を必要な値に設定してください。 例えばすべてのパラメーターを無効にする場合は、変数値をヌル値とします。

SYSKLOGD_PARMS=

詳しくは man syslogd を入力して man ページを参照してください。

7.6.8. rc.site ファイル

オプションファイル /etc/sysconfig/rc.site は、System V の各ブートスクリプトにて自動的に設定される内容を含んでいます。 /etc/sysconfig/ ディレクトリにおける hostname, console, clock の各ファイルにて値の設定を行うこともできます。 関係する変数が、これらのファイルと rc.site の双方に存在する場合、スクリプトにて指定されたファイル内の値が優先されます。

rc.site では、起動時におけるその他の機能をカスタマイズするためのパラメーターも含まれています。 変数 IPROMPT を設定すると、起動するブートスクリプトを選択することができます。 この他のオプションについては、このファイル内にてコメントとして記述されています。 このファイルのデフォルト版は以下のとおりです。

# rc.site
# Optional parameters for boot scripts.

# Distro Information
# These values, if specified here, override the defaults
#DISTRO="Linux From Scratch" # The distro name
#DISTRO_CONTACT="lfs-dev@linuxfromscratch.org" # Bug report address
#DISTRO_MINI="LFS" # Short name used in filenames for distro config

# Define custom colors used in messages printed to the screen

# Please consult `man console_codes` for more information
# under the "ECMA-48 Set Graphics Rendition" section
#
# Warning: when switching from a 8bit to a 9bit font,
# the linux console will reinterpret the bold (1;) to
# the top 256 glyphs of the 9bit font.  This does
# not affect framebuffer consoles

# These values, if specified here, override the defaults
#BRACKET="\\033[1;34m" # Blue
#FAILURE="\\033[1;31m" # Red
#INFO="\\033[1;36m"    # Cyan
#NORMAL="\\033[0;39m"  # Grey
#SUCCESS="\\033[1;32m" # Green
#WARNING="\\033[1;33m" # Yellow

# Use a colored prefix
# These values, if specified here, override the defaults
#BMPREFIX="     "
#SUCCESS_PREFIX="${SUCCESS}  *  ${NORMAL}"
#FAILURE_PREFIX="${FAILURE}*****${NORMAL}"
#WARNING_PREFIX="${WARNING} *** ${NORMAL}"

# Manually seet the right edge of message output (characters)
# Useful when resetting console font during boot to override
# automatic screen width detection
#COLUMNS=120

# Interactive startup
#IPROMPT="yes" # Whether to display the interactive boot prompt
#itime="3"    # The amount of time (in seconds) to display the prompt

# The total length of the distro welcome string, without escape codes
#wlen=$(echo "Welcome to ${DISTRO}" | wc -c )
#welcome_message="Welcome to ${INFO}${DISTRO}${NORMAL}"

# The total length of the interactive string, without escape codes
#ilen=$(echo "Press 'I' to enter interactive startup" | wc -c )
#i_message="Press '${FAILURE}I${NORMAL}' to enter interactive startup"

# Set scripts to skip the file system check on reboot
#FASTBOOT=yes

# Skip reading from the console
#HEADLESS=yes

# Write out fsck progress if yes
#VERBOSE_FSCK=no

# Speed up boot without waiting for settle in udev
#OMIT_UDEV_SETTLE=y

# Speed up boot without waiting for settle in udev_retry
#OMIT_UDEV_RETRY_SETTLE=yes

# Skip cleaning /tmp if yes
#SKIPTMPCLEAN=no

# For setclock
#UTC=1
#CLOCKPARAMS=

# For consolelog (Note that the default, 7=debug, is noisy)
#LOGLEVEL=7

# For network
#HOSTNAME=mylfs

# Delay between TERM and KILL signals at shutdown
#KILLDELAY=3

# Optional sysklogd parameters
#SYSKLOGD_PARMS="-m 0"

# Console parameters
#UNICODE=1
#KEYMAP="de-latin1"
#KEYMAP_CORRECTIONS="euro2"
#FONT="lat0-16 -m 8859-15"
#LEGACY_CHARSET=

7.6.8.1. ブートおよびシャットダウンスクリプトのカスタマイズ

LFS のブートスクリプト類により、システムの起動および終了が適正に行われます。 ただし rc.site ファイルにおいては改善の余地があって、処理性能を向上させたり出力メッセージを調整したりすることができます。 種々の設定は、上に示した /etc/sysconfig/rc.site ファイルへの変更により実現します。

  • ブートスクリプト udev の起動中には udev settle の呼び出しが行われます。 ただこの呼び出しは特定の場合において必要となるものであり、それはシステム上に存在するデバイスに依存します。 単純なパーティション設定を行っていて、またイーサネットカードを1つのみ利用している場合には、ブート時に上のコマンドを実行する必要はないかもしれません。 このコマンドの実行をスキップする場合は、変数の設定として OMIT_UDEV_SETTLE=y を記述します。

  • ブートスクリプト udev_retry も同様に、デフォルトで udev settle を実行します。 このコマンドはデフォルトでは、/var ディレクトリが個別にマウントされている時にのみ必要となります。 それはクロックが /var/lib/hwclock/adjtime ファイルを必要とするためです。 これ以外にも udev の処理を待つことが必要になるケースがありますが、本当に必要になることはまれです。 変数の設定として OMIT_UDEV_RETRY_SETTLE=y を行えば、コマンドをスキップすることができます。

  • デフォルトにおいてファイルシステムのチェックは、何も表示されることなく処理が行われるので、処理が遅延して行われているかのように見えます。 fsck による出力を有効とするには、変数の設定を VERBOSE_FSCK=y とします。

  • 再起動時にはファイルシステムのチェック、つまり fsck の実行を完全に行う必要はないと考えられる場合もあります。 そうであるなら、ファイル /fastboot を生成するか、/sbin/shutdown -f -r now というコマンドを実行します。 一方、ファイルシステムのチェックを必ず行うのであれば、ファイル /forcefsck を生成するか、shutdown コマンドの実行において -f ではなく -F というパラメーターをつける方法があります。

    変数の設定として FASTBOOT=y を行えば、ブート時において fsck を実行しないようにすることができます。 この設定を恒常的に行うことは推奨されません。

  • 通常 /tmp ディレクトリ内にあるファイルは、ブート時にすべて削除されます。 ファイル数やディレクトリ数が膨大になっていた場合は、ブート処理が極端に時間を要することにもなります。 変数の設定 SKIPTMPCLEAN=y を行うと、ファイルの削除が行われなくなります。

  • シャットダウン時には init プログラムが稼働中のプログラム (agetty など) に対して TERM シグナルを送信し、一定時間 (デフォルトでは3秒) 待ちます。 そして各プロセスに対して KILL シグナルを送信して再度待ちます。 各プロセスが自身のスクリプト内にてシャットダウンしないようであれば sendsignals スクリプトにて上の処理が繰り返されます。 init が起動するまでの時間は、パラメーターにより制御することができます。 例えば init の遅延を無くす場合は、シャットダウンまたはリブート時のコマンドに -t0 パラメーターを与えます。 (つまり /sbin/shutdown -t0 -r now といったコマンド実行とします。) sendsignals スクリプトの遅延を無くすには、パラメーターの設定を KILLDELAY=0 とします。