本パッケージの詳細は 6.13.2.「Binutils の構成」を参照してください。
Binutils パッケージは、リンカーやアセンブラーなどのようにオブジェクトファイルを取り扱うツール類を提供します。
ビルドのためのディレクトリを再び生成します。
mkdir -v ../binutils-build cd ../binutils-build
Binutils をコンパイルするための準備をします。
CC=$LFS_TGT-gcc \ AR=$LFS_TGT-ar \ RANLIB=$LFS_TGT-ranlib \ ../binutils-2.24/configure \ --prefix=/tools \ --disable-nls \ --disable-werror \ --with-lib-path=/tools/lib \ --with-sysroot
configure オプションの意味:
CC=$LFS_TGT-gcc
AR=$LFS_TGT-ar RANLIB=$LFS_TGT-ranlib
Binutils をネイティブにビルドすることが目的なので、ホストシステムに存在しているクロスコンパイラーや関連ツールは使わず、ビルドしているシステム内のものを用いるように指定します。
--with-lib-path=/tools/lib
configure スクリプトに対して Binutils のコンパイル中でのライブラリパスを指定します。 リンカーに対して
/tools/lib
ディレクトリを指定するものです。
こうすることでリンカーがホスト上のライブラリを検索しないようにします。
--with-sysroot
sysroot 機能は、特定の共有オブジェクトを必要とする他の共有オブジェクトを、リンカーが見つけ出せるようにする機能です。 その場合には明示的にリンカーのコマンドラインにて、共有オブジェクトを指定する必要があります。 コマンドラインでのその指定がない場合には、特定のホストにてパッケージビルドに失敗するものが出てきます。
パッケージをコンパイルします。
make
パッケージをインストールします。
make install
次章で行う「再調整」の作業に向けてリンカーを準備します。
make -C ld clean make -C ld LIB_PATH=/usr/lib:/lib cp -v ld/ld-new /tools/bin
make パラメーターの意味:
-C ld
clean
サブディレクトリ ld
にコンパイル生成されたプログラムをすべて削除します。
-C ld
LIB_PATH=/usr/lib:/lib
サブディレクトリ ld
の中に生成されるべきプログラムを再生成します。 Makefile ファイル内の変数 LIB_PATH
をコマンドラインから与えることで、一時的なツール類の設定を上書き指定し、適切なパスを指示します。
この変数の設定はリンカーに対するデフォルトの検索パスを指定するものであり、次章に向けた準備となります。
本パッケージの詳細は 6.13.2.「Binutils の構成」を参照してください。