8.77. E2fsprogs-1.46.5

e2fsprogs パッケージは ext2 ファイルシステムを扱うユーティリティを提供します。これは同時に ext3ext4 ジャーナリングファイルシステムもサポートします。

概算ビルド時間: 回転式ディスクで 4.4 SBU、SSD で 1.2 SBU
必要ディスク容量: 94 MB

8.77.1. E2fsprogs のインストール

e2fsprogs パッケージは、ソースディレクトリ内にサブディレクトリを作ってビルドすることが推奨されています。

mkdir -v build
cd       build

e2fsprogs をコンパイルするための準備をします。

../configure --prefix=/usr           \
             --sysconfdir=/etc       \
             --enable-elf-shlibs     \
             --disable-libblkid      \
             --disable-libuuid       \
             --disable-uuidd         \
             --disable-fsck

configure オプションの意味

--enable-elf-shlibs

このオプションは、本パッケージ内のプログラムが利用する共有ライブラリを生成します。

--disable-*

このオプションは libuuid ライブラリ、libblkid ライブラリ、uuidd デーモン、fsck ラッパーをいずれもビルドせずインストールしないようにします。 これらは util-linux パッケージによって、より最新のものがインストールされています。

パッケージをコンパイルします。

make

コンパイル結果をテストするには以下を実行します。

make check

u_direct_io という 1 つのテストが、システムによっては失敗する場合があります。

パッケージをインストールします。

make install

不要なスタティックライブラリを削除します。

rm -fv /usr/lib/{libcom_err,libe2p,libext2fs,libss}.a

本パッケージは gzip 圧縮された.info ファイルをインストールしますが、共通的な dir を更新しません。 そこで以下のコマンドにより gzip ファイルを解凍した上で dir ファイルを更新します。

gunzip -v /usr/share/info/libext2fs.info.gz
install-info --dir-file=/usr/share/info/dir /usr/share/info/libext2fs.info

必要なら、以下のコマンドを実行して追加のドキュメントをインストールします。

makeinfo -o      doc/com_err.info ../lib/et/com_err.texinfo
install -v -m644 doc/com_err.info /usr/share/info
install-info --dir-file=/usr/share/info/dir /usr/share/info/com_err.info

8.77.2. E2fsprogs の構成

インストールプログラム: badblocks, chattr, compile_et, debugfs, dumpe2fs, e2freefrag, e2fsck, e2image, e2label, e2mmpstatus, e2scrub, e2scrub_all, e2undo, e4crypt, e4defrag, filefrag, fsck.ext2, fsck.ext3, fsck.ext4, logsave, lsattr, mk_cmds, mke2fs, mkfs.ext2, mkfs.ext3, mkfs.ext4, mklost+found, resize2fs, tune2fs
インストールライブラリ: libcom_err.so, libe2p.so, libext2fs.so, libss.so
インストールディレクトリ: /usr/include/e2p, /usr/include/et, /usr/include/ext2fs, /usr/include/ss, /usr/lib/e2fsprogs, /usr/share/et, /usr/share/ss

概略説明

badblocks

デバイス (通常はディスクパーティション) の不良ブロックを検索します。

chattr

ext2 ファイルシステム上のファイル属性を変更します。 ext2 ファイルシステムのジャーナリング版である ext3 ファイルシステムにおいても変更を行います。

compile_et

エラーテーブルコンパイラー。 これはエラーコード名とメッセージの一覧を、com_err ライブラリを利用する C ソースコードとして変換するものです。

debugfs

ファイルシステムデバッガー。 これは ext2 ファイルシステムの状態を調査し変更することができます。

dumpe2fs

指定されたデバイス上にあるファイルシステムについて、スーパーブロックの情報とブロックグループの情報を表示します。

e2freefrag

フリースペースのフラグメント情報を表示します。

e2fsck

ext2 ファイルシステムと ext3 ファイルシステムをチェックし、必要なら修復を行うことができます。

e2image

ext2 ファイルシステムの重要なデータをファイルに保存します。

e2label

指定されたデバイス上にある ext2 ファイルシステムのラベルを表示または変更します。

e2mmpstatus

ext4 ファイルシステムの MMP ステータスをチェックします。

e2scrub

マウントされている ext[234] ファイルシステムの内容をチェックします。

e2scrub_all

マウントされている ext[234] ファイルシステムのエラーをチェックします。

e2undo

デバイス上にある ext2/ext3/ext4 ファイルシステムの undo ログを再実行します。 これは e2fsprogs プログラムが処理に失敗した際に undo を行うこともできます。

e4crypt

ext4 ファイルシステムの暗号化ユーティリティー。

e4defrag

ext4 ファイルシステムにたいするオンラインのデフラグプログラム。

filefrag

特定のファイルがどのようにデフラグ化しているかを表示します。

fsck.ext2

デフォルトでは ext2 ファイルシステムをチェックします。 これは e2fsck へのハードリンクです。

fsck.ext3

デフォルトでは ext3 ファイルシステムをチェックします。 これは e2fsck へのハードリンクです。

fsck.ext4

デフォルトでは ext4 ファイルシステムをチェックします。 これは e2fsck へのハードリンクです。

logsave

コマンドの出力結果をログファイルに保存します。

lsattr

ext2 ファイルシステム上のファイル属性を一覧表示します。

mk_cmds

コマンド名とヘルプメッセージの一覧を、サブシステムライブラリ libss を利用する C ソースコードとして変換するものです。

mke2fs

指定されたデバイス上に ext2 ファイルシステム、または ext3 ファイルシステムを生成します。

mkfs.ext2

デフォルトでは ext2 ファイルシステムを生成します。 これは mke2fs へのハードリンクです。

mkfs.ext3

デフォルトでは ext3 ファイルシステムを生成します。 これは mke2fs へのハードリンクです。

mkfs.ext4

デフォルトでは ext4 ファイルシステムを生成します。 これは mke2fs へのハードリンクです。

mklost+found

ext2 ファイルシステム上に lost+found ディレクトリを作成します。 これはそのディレクトリ内にあらかじめディスクブロックを割り当てておくことにより e2fsck コマンド処理を軽減させます。

resize2fs

ext2 ファイルシステムを拡張または縮小するために利用します。

tune2fs

ext2 ファイルシステム上にて調整可能なシステムパラメーターを調整します。

libcom_err

共通的なエラー表示ルーチン。

libe2p

dumpe2fschattrlsattr の各コマンドが利用します。

libext2fs

ユーザーレベルのプログラムが ext2 ファイルシステムを操作可能とするためのルーチンを提供します。

libss

debugfs コマンドが利用します。